建築ノート

建築士の勉強・資格試験と実務

二級建築士の勉強ノートをまとめていこうと思う。

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二級建築士の資格試験(学科)は毎年7月の上旬に行われます。

今まで勉強してきた内容を、ノート上で整理してまとめていこうと思う。

 

よく、インプットとアウトプットという言葉を耳にするが、自分なりの言葉や解釈にまとめていくことで、知識は身につきます。

 

分野別にまとめて更新できればと思います。

■目次

 

4つの科目を攻略するためには!?

二級建築士の試験は計画・法規・構造・施工の4つの学科に分かれています。

合計点数100点の振り分け(25点づつ)で構成されており、それぞれの合格ラインが定められています。

※参考合格ライン(毎年微妙に変動します。)

100点満点のうち合計60点がボーダーライン。

1科目の最低合格ラインは13点。

得意不得意はそれぞれ個人の好みによるかと思いますが、法規は点数を稼げる分野と言われています。

例として、計画15・法規25・構造13・施工19=72点

このように1分野が低くてギリギリ点数でも他の分野で稼いで60点を超えていればOKです。

勉強に割く時間は計画的に学習していくことが最終的に大きな分かれ目になります。

 


スタンダード 二級建築士 2021年版

1.計画の学習内容について

まず一科目の計画についての内容は大きく下記の小ジャンルに分かれています。

1.日本建築史

2.西洋・近代建築史

3.環境工学

4.空気汚染・湿温度

5.換気通風・伝熱・結露

6.日照・採光

7.専用住宅・集合住宅

8.音・光・色彩

9.商業建築・公共建築

10.各部の計画

11.住宅生産

12.設備関係

13.防災・消防

14.時事

最後の時事については、個人的に考えて入れた分野です。

近年のニュースや時代の流れで試験に盛り込んでくる、過去問以外の問題。

言わば「新規問題」です。

中々狙って学習することは難しいですが、自分なりに建築に対するアンテナを張っておく必要がある。

 

2.法規の学習内容について

続いて二科目目については下記分野になっております。

1.用語の定義

2.面積・高さの算定

3.確認申請

4.手続き総合

5.天井高・床高・階段

6.採光

7.建築設備

8.構造計算・構造強度

9.耐火建築物

10.防火区画・間仕切り壁

11.避難施設・内装制限

12.道路・敷地

13.用途制限

14.建蔽率・容積率

15.高さ制限

16.日影制限

17.防火・準防火地域

18.建築士法

19.関係法令総合

法規は法令集を持ち込めるので満点を採れる分野です。

しかし、しっかり学習しなければまったくもって不可能です。

なぜかというと、試験内に辞書を素早く引くのは、慣れていないと時間がかかってしまい時間が足りなくなってしまいます。

計算問題と基本的な内容はある程度暗記しておくことが大切だと思います。

 

3.構造の学習内容について

続いて三科目目は構造です。

1.用語と単位・断面の性質

2.応力度・許容応力度

3.力のモーメント・釣合・合成と分解

4.反力

5.静定梁

6.静定ラーメン

7.静定トラスの応力

8.座屈

9.荷重及び外力

10.地盤および基礎

11.木構造

12.補強コンクリートブロック造・壁式鉄筋コンクリート造

13.鉄筋コンクリート構造

14.鉄骨構造

15.構造計画

16.木材

17.コンクリート

18.鋼材・金属

19.その他材料

20.建築材料

構造は計算問題と理解度を深めないと、難しいです。

計算問題は過去問をひたすらこなすことで要領を得ることができます。

あとは公式を暗記することが重要です。

それ以外の問題については、単語それぞれの意味をしっかり理解して学習していくことが大切です。

 

4.施工の学習内容について

最後は施工科目についてです。

1.施工計画・工程管理

2.材料管理・安全管理

3.各種申請手続き・工事管理

4.仮設工事

5.地盤調査・地業・基礎工事

6.鉄筋工事

7.型枠工事

8.コンクリート工事

9.鉄骨工事

10.補強コンクリートブロック工事

11.木工事

12.防水工事・屋根工事

13.左官工事

14.タイル工事

15.塗装工事

16.建具・ガラス工事

17.内装工事・断熱工事

18.設備工事

19.各種工事・改修工事

20.施工用語

21.積算

23.工事請負契約書・仕様書・設計図書

比較的暗記要素が強いですが、細かい数字や施工の内容などをイメージできるかがポイントです。実物をあまり見る機会がない方は、写真や施工図などをネットなどで探しながら見て、学習していくと理解度が高まると思います。

 

過去問の効率の良い学習方法は!?

 

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過去問をひたすら解いていくことが、点数アップにつながります。

3回を目安にまず、過去7年分を集中して解いてみて下さい!

 

1回目・解説をよく見ながら内容を理解してじっくり解いていく。

恐らく時間がかかるかと思いますが、あきらめずしっかり解きましょう。

 

2回目・間違えた部分を集中的にやる。(苦手だと思う分野をメモしておく。)

得意不得意を把握することは重要です。

総合資格が出版している分野別問題集は、弱点を集中的に攻略できるようまとまっているので効率的です。

 

 

www.qualifiedarchitect.work

 

 

3回目・正解以外の選択肢4択の回答すべての意味を考え解けるようにする。

問題はア・イ・ウ・エ・オの5択で出題されます。

正解の回答は解説をみて学習できますが、その他の選択肢も回答・解説を自分なりに回答できるようにできれば1つの問題で5問覚える事ができます。

特に、引っ掛け問題などにやられないよう理解することで点数の取りこぼしを防げます。

まとめ

独学での試験勉強は、自分自身でスケジュール管理が必要です。

モチベージョンを保つためにも、資格学校などで無料のセミナーや模擬試験などが受けられます。

上手く活用して、自分の力試しをしていき学習のマンネリ化を防ぐことも大切でしょう。

一問でも多くひたすら問題を解きながら、参考書などで内容を確認する方が、学習的には効率が良いです。

4教科を上手くまとめながら合格点を目指してください。

 

 

 

二級建築士製図試験・独学おススメ参考書をまとめてみました。

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二級建築士の製図独学のおススメ参考書をまとめてみました。

 

独学での製図試験は孤独との戦いです。

答えがあるようで答えがありません。

いや、何が正解かわからず図面を書き込んで学んでいくしかありません。

 

これは非常に効率が悪いです。

だから皆学校に行って先生に教えてもらうのです。

 

製図の採点は本当にわかりません。

同じようなミスをしている人でも受かっていたり落ちていたり・・・。

 

独学で頼りになるのは市販の参考書しかないでしょう。

個人的に学んでみておススメだなと思う参考書をまとめてみました。

ダラダラ何冊も紹介はしません!

3分野でまとめてみました!

各1冊づつあれば十分です。

(私は何冊も買いましたが、使ったのは紹介する3冊だけです。)

 

製図基本の学習について

基本の学習は、やはり総合資格・日建学院で出版している参考書がベースになるかと思います。

付録で付いているCDの講座をみて基本を学習するとまず、この試験についての概要が見えてくると思います。

初めて受験する方は特に、製図試験のイメージがつかず学習に取り掛かるまで大変です。

2社の参考書は非常にまとめがすっきりしているのでわかりやすいです。

線の引き方・使用可能な道具についてなど、まず基本から調べていく必要があります。

 ※道具については、意外に奥が深いところがあるので、また別でまとめます。

 

私は総合資格のテキストを使用していました。

個人的には理解しやすかったのと、基本プランについての考え方の説明が簡単でした。 

条件を満たす事が目的なのでデザイン性等は求めていません。

そういった意味では、解答例なども見やすく感じました。

 

ちなみに課題については毎年違うので要求図面(木造・RC造など)についてはその年で確認お願いします。

理解度の方法だけであれば、学習の考え方・流れは同じだと思います。

 

プランニングの応用について

ある程度図面についての理解が深まってくると、実際に自分でプランニングをしていく必要があります。

(実践に向けた学習が必要です。)

 

 

上記で述べた内容通り、やはり解釈が簡単で明確です。

独学であればもはやこの内容通り仕上げるしかないでしょう。

正直他の参考書を見るとまったく別の解答例や記入例が違くて、迷います。

迷ったら中途半端な図面になります。笑

1つルールを決めてそれを極める方が得策だと感じました。

 

エスキスについて

エスキスは最初の内は楽しいですが、勉強してて一番息詰まりました。

プラン依頼の要望に応えるのは実務でも当たり前の事なので、たくさんの引出を持つことが大切です。

(尚且つ簡潔にできると、仕上げの作業が楽になります。)

 

 

 

恐らくエスキスの専門参考書としては、あまり種類は見ませんがこの本だけで基本は大丈夫じゃないかと思います。

プランを作成するには構造も理解していないと大減点につながります。

作図のミスは見直しで訂正できますが、その見直しにも気づかなければ訂正はできかせん。

課題される構造については、よく理解してプランニングする必要があります。

 

まとめ

独学での学習は限界があるのは、挑戦する上では100も承知だと思います。

参考書やユーチューブ、ネット検索で情報収集しながらポイントを整理するしかありません。

でも、個人でスケジュールを計画的に進められる人や製図についての理解を十分に高められる人であれば可能だと思います。

作図スピードを鍛えつつ、並行してプランニングを落ち着いてできる力を身に付ける事が大切だと思います。

 

 

 

 

建築士資格試験(計画)過去問

建築及び都市の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

 

1 .ソシオペタルは、複数の人間が集まったときに、異なる方向に身体を向けて他人同士 でいようとするような位置関係をいう。

 

2 .ユニバーサルデザインは、全ての人を対象としたものであり、障がいの有無、年齢や 体型の違い、身体機能の差等に関係なく、可能な限り誰もが利用できるデザインをいう。

3.パッシブデザインは、建築物自体の配置・形状、窓の大きさ等を工夫することにより、 建築物内外に生じる熱や空気や光等の流れを制御し、暖房・冷房・照明効果等を積極的 に得る手法をいう。

4.スマートシティは、広義では、都市が抱える諸課題に対して、情報通信技術等を 活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体の最適化が 図られる持続可能な都市又は地区をいう。

 

令和元年一級建築士(計画)過去問より 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
答え・1

精神科医のオズモンドが提唱した言葉です。二人の人間の位置関係においてコミュニケーションをとる配置(対面型)をソシオペタルとし、相手を拒否する配置(離反型)をソシオフーガルとしました。

 
 
 

建築士資格試験(法規)過去問

建築士法に規定されている建築士の職責等に関する記述のA〜Dに該当する語句の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。

建築士法第2条の2において、「建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、[ A ]に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」とされている。
また、同法第21条の4において、「建築士は、[ B ]を害するような[ C ]をしてはならない。」とされ、同法第22条第1項においては、「建築士は、設計及び工事監理に必要な[ D ]の維持向上に努めなければならない。」とされている。

 

1.(A)国民の生命、健康及び財産の保護 、 (B)公共の福祉の増進 、 (C)建築 、 (D)知識及び技能

2.(A)国民の生命、健康及び財産の保護 、 (B)建築士の信用又は品位 、 (C)建築 、 (D)専門的応用能力

3.(A)建築物の質の向上 、 (B)建築士の信用又は品位 、 (C)行為 、 (D)知識及び技能力

4.(A)建築物の質の向上 、 (B)公共の福祉の増進 、 (C)行為 、 (D)専門的応用能力

 

平成30年一級建築士(法規)過去問より

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
答え・3

建築士法第2条の2において「建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」とされています。 また、同法第21条の4において、「建築士は、建築士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。」とされ、同法22条第1項においては、「建築士は、設計及び工事監理に必要な知識及び技能の維持向上に努めなければならない。」とされています。

 
 
 
 
 
 
 

建築士資格試験(環境工学)過去問

環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

 

1 . 実効温度差( ETD )は、「内外温度差」、「日射量」及び「壁や天井等の熱容量の大きい部材による熱的挙動の時間遅れ」を考慮した、熱貫流計算を簡略に行うために使用される仮想の温度差である。    

2 . 作用温度( OT )は、空気温度、平均放射温度及び湿度から求められる指標である。

3 . 光束発散度は、発光面、反射面又は透過面のいずれについても、面から発散する単位面積当たりの光束である。

4 . 固体伝搬音( 固体音 )は、建築物の躯体中を伝わる振動により、壁や天井等の表面から空間に放射される音である。

 

平成27年一級建築士(環境・設備)過去問より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答え・2

作用温度( OT )は効果温度ともいい、人体に対する温熱環境を評価する指標のひとつで、気温・気流・放射の3要素で決まります。

 

 

 

 

建築士学科試験(計画)換気・通風についてまとめてみた。

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建築士学科試験(計画)換気・通風についてまとめてみました。

 

換気については、換気方法の種類や回数計算などが出題されます。

特に換気回数については、計算問題として出題されるので、暗記とは別に計算式や方法をしっかり学習して応用問題に対応できるようにすることが大切です。

 

★換気・通風の出題例

 

Q.床面積100㎡の事務所において、イ~への条件における機械換気による熱損失の値として、最も近いものは、次のうちどれか。ただし、熱交換器の使用はないものとし、室温は室内一様とする。なお、1.0W・hは3.6kjとする。

条件

イ.天井高さ 3.0m

ロ.換気回数 2.0回/h

ハ.室温 20℃

二.外気温 -5℃

ホ.空気の比重 1.2kg/㎡

へ.空気の比熱 1.0kj/(kg・k)

 

1. 1,700W

2. 2,500W

3. 3,000W

4. 4,000W

5. 5000W

 

 A.(5)

■目次

計算の解法について

換気による熱損失=その室の換気量×空気の容積比熱×室内外の温度差

その室の換気量=室容積(床面積)×換気回数=100×3(天井高さ)×2=600

換気による熱損失=600×1.2(空気の比重)×1.0(空気の比熱)×(20-(-5))=18,000

1.0W・h=3.6kj 問題文より。

18,000/3.6=5,000

答え(5)

 

換気方法について

自然換気の種類について

風力換気・・・屋外の風圧力による換気。

重力換気・・・室内外の温度差による換気。

 

自然換気の特徴

通風の効果を上げるためには、夏期の最多風向に給気のための開口部を設ける方がよい。開口部の位置を分散させる。

 

機械換気設備

換気設備には3種類の方法がある。

・第一種換気・・・給排気併用。(どっちも機械)

・第二種換気・・・給気のみ機械換気。

・第三種換気・・・排気のみ機械換気。(トイレなど)

 

換気回数と換気量

必要換気回数・・・室の1時間あたりに必要な新鮮な空気の量を室容積で除した値。

必要換気量・・・換気に必要な新鮮な空気量。二酸化炭素の許容濃度を基準に求める。

 

換気計画

居室における成人1人当たりの必要換気量は、1時間あたり30㎡程度。

機械換気においては、換気経路を考慮する。

居室に給気、便所や浴室で排気する。

 

まとめ

近年では、高気密高断熱住宅について時事として話題にもなっています。

重要な分野でもあるので、換気についての問題はしっかり計算問題の内容を把握する事が大切です。

建築士学科試験(法規)採光についてまとめてみた。

建築士学科試験(法規)採光についてまとめてみました。

採光に有効な面積についての計算問題が出題されます。

法令集で居室の種類についての注意や必要な割合など、問題をよく読みながら、

解法していきましょう。

過去問題をもとにまとめてみました。

 

★H24年 法規過去問題 

 

第一種住居地域内(建築基準法第86条10項に規定する公告対象区域外とする。)を計画する場合、建築基準法上、有効な採光を確保するために、隣地境界線から後退しなければならない最小限度の距離Xは、次のうちどれか。ただし、居室の床面積は28㎡とし、図に記載されている開口部を除き、採光に有効な措置については考慮しないものとする。

 

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1 1.6m

2 2.0m

3. 2.1m

4. 2.4m

5 2.5m

 

A.5

 

引用元:二級建築士 H24年法規出題より。 

 ■目次

 

開口部の面積の算定

まず、計算するにあたっての手順は、開口部の面積がいくつなのかについて求める必要があります。

法第28条の1項より、居室の開口部で採光に必要な面積は、居室の床面積で1/7以上となっている。

※居室以外は1/5~1/10で政令で定める割合以上。

床面積が28㎡より

28㎡×1/7=4㎡ 開口に必要な面積は4㎡以上となる。

 

採光補正係数の算定

令第20条第2項第一号により採光補正係数は、採光関係比率に6.0を乗じた数値から1.4を減じて求める。(第一種住居地域内の場合)

採光関係比率=開口部の直上にある建築物の部分から隣地境界線等までの水平距離Dをその部分から開口部の中心までの垂直距離Hで割った値(D/H)。

※D/H×6.0-1.4

H=4m+2m×1/2 ←居室の開口部2mの半分(中心)なので1/2。

H=5m

採光補正係数は、D/5×6.0-1.4

 

採光に有効な部分面積の算定

4㎡×(D/5×6.0-1.4)≧4㎡ ←4㎡以上必要なので。という意味。

両辺を4で割ると、D/5×6.0-1.4≧1

1.2D≧1+1.4

D≧2

X=D+0.5m=2.5m ←0.5は屋根の軒の出。

答え.2.5m (5)

 

まとめ

採光の算定は計算問題で頻繁に出題されています。

採光補正係数と法令集での算定に求める数値や、地域など落ち着いて問題を解きましょう。応用では、川や公園など関係比率の算定にについてのひっかけが出題されていますので注意が必要です。

 

kenchiku-yougo.com

 

 

 

 

 

建築士学科試験(計画)近代・現代建築史についてまとめてみた。

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建築士学科試験(計画)近代・現代建築史についてまとめてみました。

日本史・世界史・近代史と計画の最初の問題(第1問・第2問)で毎年出題されています。

歴史問題については、人物・年号・建築物をポイントに学習していきましょう。

 

日本史・世界史については下記の記事にてまとめています。

www.qualifiedarchitect.work

 

www.qualifiedarchitect.work

 

★近代・現代建築についての出題例

 

住宅の作品とその計画上の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、(  )内は竣工年、所在地を示す。

 

1.ル・コルビュジェが設計したサヴォア邸(1931年、フランス)は、中央コア部分以外に間仕切りがなく、外周部すべてがガラスでできた平屋建の住宅である。

 

2.フランク・ロイド・ライトが設計した落水荘(1936年、アメリカ)は、2階の床スラブが滝のある渓流の上に張り出し、周囲の自然の眺めを味わえるように意図された住宅である。

 

3.清家清が設計した斎藤助教授の家(1952年、東京都)は、テラス、廊下、居間が連続する開放的な空間に、可し動の家具を配置し、障子や畳などの和風の要素と洋風の椅子式の生活とを融合させた木造平屋建の住宅である。

 

4.菊竹清訓が設計したスカイハウス(1958年、東京都)は、4枚の壁柱に支えられた居住部分の側面に、取替えや位置の変更が可能な「ムーブネット」と呼ばれる設備ユニットを据え付けた住宅である。

 

5.安藤忠雄が設計した住吉の長屋(1976年、大阪府)は、ファサードに玄関以外の開口部がなく、住宅の中央部に光庭を設けた住宅である。

 

A.設問は、ミース・ファン・デル・ローエの設計した、ファンズワース邸の記述である。サヴォア邸(フランス)は、ル・コルビュジェの設計により、1931年に完成した。コルビュジェの唱える近代建築の5原則である、ピロティ・屋上庭園・水平連続窓・自由な間仕切り壁配置・外壁の自由なデザインを巧みに取り入れた代表作である。

 

引用元:総合資格2019 厳選問題集500+100

 

■目次

 

近代建築の日本の建築家

丹下健三・・・東京都庁舎(1991東京)、国立屋内総合競技場(1964東京)

板倉準三・・・神奈川県立近代美術館(1951鎌倉)

前川国男・・・京都文化会館(1960京都)

谷口吉郎・・・藤村記念館(1947長野)

菊竹清訓・・・スカイハウス(1958)

大谷幸夫・・・国立京都国際会館(1966京都)

 

近代建築の海外の建築家

ル・コルビュジェ・・・サヴォア邸(1931パリ)

※自由な間仕切り、屋上庭園などが特徴。

国立西洋美術館(1959東京)

フランク・ロイド・ライト・・・落水荘(カウマン邸1936アメリカ)

旧帝国ホテル(1922東京)、ロビー邸(1909アメリカ)

J・ウォッツォン・・・シドニーオペラハウス(1973オーストラリア)

ミース・ファン・デル・ローエ・・・ファンズワーズ邸(1950アメリカ)

※外壁がすべてガラスで覆われた住宅。

アントニオ・ガウディ・・・サグラダファミリア(1883~スペイン)

 

まとめ

基本的な問題として、建築物と名称は多く出題されていますが、上記の過去問のように建築家と建築物を入れ替えてひっかけ問題として出題されています。

今後もこの基本を基に問題を組み替えたり特徴の言い回しを変えての出題が予想されます。

しっかり頭に入れてポイントを抑えておくことが大切です。

 

 

 

 

建築士学科試験(構造)断面の性質についてまとめてみた。

 建築士学科試験(構造)断面の性質についてまとめてみました。

構造分野でも計算問題は公式をマスターすることが絶対です。

それぞれの公式は必ず身に着けて、応用問題をこなせるようにしましょう。

公式については、また別でまとめます。

 H26年過去問題の出題を例に解法していきます。

 

★断面の性質についての出題例

 

Q.図のようなL型断面図において、図心の座標(x0,y0)の値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、x0=Sy/A、y0=Sx/Aであり、Sx、SyはそれぞれX軸、Y軸まわりの断面一次モーメント、Aは全断面積を示すものとする。

 

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1.x0=15 y0=20

2.x0=15 y0=25

3.x0=18 y0=20

4.x0=20 y0=18

5.x0=25 y0=15

 

引用元:二級建築士H26構造・問1より

 

■目次

 

断面一次モーメント

まず、図心を通る断面一次モーメントに関する公式について。

Sx=A×y

上記の問題にx,y軸まわりの断面一次モーメントの数字を代入していきます。

①Sx=(40×20)×y1+(20×40)×y2

=800×40+800×10 

※y1の40はA1面積40×20の図心(中心)位置20にA2の面積のY方向20を足した数字である。y2の10についても同じ考え方。

=32,000+8,000

=40,000

 

②Sy=(40×20)×x1+(20×40)×x2

=800×10+800×20

※上記と同じ考え方で軸方向がx方向。

=8,000+6,000

=24,000

 

➂全断面積=800+800=1,600

 

④問題はx0=Sy/A y0=Sx/Aである。代入していく。

x0=24,000/1,600 y0=40,000/1,600

x=15,y=25

 

答えは(2)

 

まとめ

x軸を求めるのがy面積の中心。y軸を求めるのがx面積の中心。

図心に合わせて面積を計算する。

それぞれの軸を計算するにはx,yの面積が逆になるので注意が必要です。

 

建築士学科試験(施工)左官工事についてまとめてみた。

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建築士学科試験(施工)左官工事についてまとめてみました。

左官工事はセメントモルタルについての出題が多く出ています。

モルタルについての学習を集中的にしていきましょう。

また、問題としては左官工事・タイル工事・石工事についての問題をまとめて一つの分野で出題されています。

 

★左官工事についての出題例

 

Q.左官工事、タイル工事及び石工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

 

1.屋内の床面のセルフレベリング材塗りにおいて、材料が硬化するまでの間は窓や出入り口を開けて通風を確保した。

 

2.壁のセメントモルタル塗りにおいて、1回に練り混ぜるモルタルの量は、60分以内に使いきれる量とした。

 

3.外壁のタイルに密着張りにおいて、張付けモルタルの1回の塗り付け面積は2㎡以内とした。

 

4.屋内の床面へのモザイクタイル張りにおいて、あらかじめ下地となるモルタル面に水湿しを行った。

 

5.外壁の乾式工法による石材の取り付けにおいて、石材間の目地幅を8mmとし、シーリング材を充鎮した。

 

A.1 セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流し込み作業中はできる限り通風をなくし、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、甚だしい通風は避ける。建築工事管理指針。

 

引用元:二級建築士 日建学院過去問題集チャレンジ7

 

■目次

 

セメントモルタル塗り

セメントモルタルの塗り手順について。

下塗りーーーむら直しーーー中塗りーーー上塗り

面積によって養生期間を変更する。

面積が小さい場合は下塗り後すぐに行い、14日以上放置する。

面積が大きい場合は14日後に行い、7日以上放置する。

 

調合の割合

富調合(強度が大)・・・セメントに対して砂の割合が小さい。

貧調合(強度が小)・・・セメントに対して砂の割合が多きい。

 

塗り工程ごとの注意点

下塗り・・・2週間以上放置し、ひび割れを十分発生させる。

中塗り・・・水湿(散水)を施し、吸水性を調整した後行う。

上塗り・・・中塗りの硬化の工程を見計らい行う。

 

各層のモルタル調合と仕上げ面

  下塗り 中塗り 仕上げ
セメント:砂 1;2.5 1;3 1;3~3.5
塗り面の仕上げ状態 金ぐし荒らし
目をつける。
定規塗りにより
平坦に仕上げる
こてむらのない
よう仕上げる

 

コンクリート壁下地の調整

コンクリート表面に硬化不良等がある場合は、デッキブラシ等で水洗いを行う。

打継ぎ、コールドジョイント部分で漏水の恐れがある箇所は防水処理を行う。

 

塗り厚及び作業上の注意点

1回の塗り厚は6mmとする。(総塗り厚は25mm以下とする。)

1回に練り混ぜるモルタルの量は60分以内に使いきれる量とする。

早期乾燥防止のため通風は避ける。窓などを閉めた状態で行う。

ビニル床シートの塗り厚は、仕上げの厚さを含んで30mmとする。

 

その他塗り

せっこうプラスター塗り

硬化が早くひび割れが少ない。

下塗り・中塗りは加水後120分以上、上塗りは90分以上経過したプラスターは使用しない。

上塗りは中塗りが半乾燥状態で塗り付ける。

 

しっくい塗り

下塗り→むら直し→鹿子ずり→中塗り→上塗り

 

セルフレベリング床工法

職人による左官仕上げを必要としない。

 

まとめ

左官工事は乾燥について・塗り厚・時間を確実に学習しておぼえましょう。

また塗り回数についてのひっかけやタイル張りとの内容を混在させるひっかけ問題には注意が必要です。

 

 

 

 

建築士学科試験(計画)西洋建築史についてまとめてみた。

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建築士学科試験(計画)西洋建築史についてまとめてみました。

日本建築・西洋建築・近代建築の問題は計画の序盤で出題されます。

まとめて学習して理解していきましょう。

日本史については下記の記事よりまとめています。

 

www.qualifiedarchitect.work

 

※近代建築史についてのまとめ

 

www.qualifiedarchitect.work

 

 

★西洋建築史についての出題例

 

Q.建築物とその特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

 

1.ハギア・ソフィア大聖堂(イスタンブール)は、ペンデンティヴドームを用いた大空間を特徴としたビザンチン建築である。

 

2.ノートルダム大聖堂(パリ)は、側廊の控壁をつなぐフライングバットレスや双塔形式の正面を特徴とした初期ゴシック建築である。

 

3.フィレンツェ大聖堂は、頂部へと尖った二重殻の大ドームを特徴としたルネサンス建築である。

 

4.サヴォア邸(パリ郊外ポワシー)、中央コア部分以外に間仕切りがなく、外周部がすべてガラスで覆われた住宅である。

 

5.シドニーオペラハウス(シドニー)は、円弧のシェル群によるシンボリックな造形を特徴とした建築物である。

 

A.記述はファンズワーズ邸についてである。サヴォア邸はコルビジェの設計。

ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由なファサードなどが特徴。

 

引用元:日建学院2019 二級建築士過去問題集・チャレンジ7

 

■目次

 

西洋建築史

古代・中世・近代の三つの分野でまとめられています。

・古代

ギリシャ建築(紀元前5~6世紀)・・・パルテノン神殿(紀元前432ギリシア)

出題特徴 ドリス式・イオニア式・コリント式と柱型のオーダーの建築様式について。

図に合わせて形と名称が合っているかなどの問題が出題されます。

 

・中世

初期キリスト教建築物(1~6世紀)・・・バシリカ式の教会堂など。

 

ビザンチン建築(5~16世紀)・・・ハギア・ソフィア(537トルコ)

出題特徴 ドームによる大空間の構成。

 

イスラム建築(6~17世紀)・・・モスクの頂上にミナレット(尖塔)が設けられている。

 

ロマネスク建築(10~12世紀)・・・ピサの大聖堂(1118イタリア)

出題特徴 ヴォールト(かまぼこ型曲面天井)や半円アーチなど。

 

ゴシック建築(12世紀~14世紀)・・・パリ大聖堂・ミラノ大聖堂。

出題特徴 フライングバットレス。

 

・近世

ルネサンス建築(15~16世紀)・・・フィレンツェ大聖堂

出題傾向 水平線を多用した外観のデザインが特徴。

 

バロック建築(17~18世紀初)・・・サン・ピエトロ大聖堂

出題特徴 彫刻の技法を取り入れた躍動感あふれる構成。

 

ロココ建築(18世紀初~中)・・・優雅で繊細な室内装飾。

 

デザイン運動について

・アーツアンドクラフツ運動

 美術工芸運動で、機械的なデザインに対する反意的な運動。

 

・バウハウス

 ドイツのワイマールに設立されたデザイン学校。

 

まとめ

西洋建築は年号と建築様式、建築物や建築家と関連付けておぼえていくことが大切です。

息抜きに建築の歴史や建築デザインの本など読んでみると気分転換にもなって特徴も覚えやすかったりするので、少しの隙間時間も大切にしましょう。